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カテゴリ:プリティ王子 の記事一覧

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私が『白鳥の湖』の王子だった頃

注意!:今回は「お見苦しい」写真が下の方にあります.あらかじめご了解の上ご覧下さい.

前にどこかに書きましたが,DPLは前任校時代にクラシック・バレエを習っていました.健康のためです.元デブのDPLは,デブ時代の後遺症として「脂肪肝」と人間ドックで診断され(これは今では完治),医者から「何か運動を」と勧められました.そこで,スポーツ嫌いのDPLは,「芸術の香りがするバレエならやってもよい」(そもそもバレエはスポーツでは無くて舞台芸術ですが)と言ってバレエを始めることにしたのでした.日本を代表するバレエ・ダンサー熊川哲也氏の超人的跳躍を純粋にカッコイイと感じ,恐れ多くも「自分も跳びたい!」と思ったことも,バレエを始めた理由の一つですが.

バレエ教室は,愛妻にあちこち電話して探して貰いました.まったく素人の成人男子を受け入れてくれそうなところはあまり無いようでしたが,運良く地元では多分最も実力のあるバレエスクールが受け入れてくれることになりました.そして,そこには結局4年ぐらい継続して通うことになりました(週1回のレッスンだけですが).

クラスは,大人のための入門クラスで,DPLのように大人になってからゼロから始めようという人や(初老に近い女性も居たように記憶します),小さい頃やっていて久しぶりに再チャレンジという人などが生徒の主流でした.最初は何となく気後れしまして,愛妻に付いてきて貰いました.子供のレッスンに母親が付き添うようなものです.でも,そのうち慣れました.

先生は,県内では最高の指導者でした.さらに贅沢なことに,伴奏はピアノの先生がやって来て,生演奏でした.DPLは,タイツが恥ずかしいので,上半身はピンクのTシャツを着て,下はブカブカの半パン(ピンクです)やトレパン(何故か花柄)でやっていました.

時々,希望者を募って(と言うか,先生からのお声がかりで),メンバーを絞って公演会が開かれますが,DPLに声がかかることはありませんでした.DPLも「タイツをはいて舞台に上がるなんて滅相もない」と正直思っておりましたし(タイツって本当に嫌だな.あれって,普通の格好で言えば,上半身は背広・ネクタイで,下半身は股引一丁のようなものですよ!).勿論,技量にも問題大ありですしね.DPL的にはバレエは健康維持のためのトレーニングの代わりですから,教室で黙々とレッスンするだけで良かったのです.

しかし,ある日,先生から「本当の初心者向きに,短いシーンを集めた舞台をやるから,参加しませんか?」と誘われ,迷いましたが,元来前向きなDPLは「とりあえず,ぐたぐた思わず,やってみよう!」と思ってしまったのでありました.何事もチャレンジです.『白鳥の湖』や『くるみ割り人形』といった古典的名作の中からシーンを選ぶのですが,DPLは本当に下手くそなので,他の方に迷惑がかからない,男子一人が舞うシーンのあるものを先生に選択していただきました.

最初,「タイツをはかなくて済むような役はありませんか?」と相談していました.その結果,「『海賊』はどうかしら?」と先生が言われるので,そのハイライトシーンの一つを演じることにしました(海賊姿は,下半身はブカブカのズボンですが,今度は上半身が裸に近い格好です.これはこれで恥ずかしい).

短いシーンなので,「もう一つくらい演目を入れることも可能ですよ」と先生に言われまして,少し考えたDPLは,「しかし,バレエやるからには『白鳥の湖』だよなあ.『白鳥の湖』というからには,やはり王子ジークフリートを演じないわけにはいかないなあ」と短絡して,「では先生,『白鳥の湖』の王子をやります!」なんて言ってしまいました.「でもDPLさん,王子は白タイツをはかなければなりませんよ.白いタイツは王子の純粋無垢な心を表現しています.黒ではいけません」とおっしゃる.心の中で「黒タイツまでなら何とか妥協しようかな」と思っていたDPLは,それを聞いて挫けてしまいました.「では『海賊』だけにしておきます!」.

しかし,スクールからの帰り道に「本当にそれで良いのか?たとえ健康のためとはいえ,バレエに入門した男子としては『白鳥の湖』の王子を目指すのが王道だろう.白タイツくらいなんだ!」と心の中の声に叱咤され,DPLは,Uターンしてスクールに舞い戻り,「先生!『白鳥の湖』やります!白タイツはきます!」と叫んでいました.

と言うわけで,『海賊』と『白鳥の湖』から1シーンずつ演じることになりました.『海賊』に関しましては,ファルーフ・ルジマートフ(DPLが大好きなダンサーです)の演技を,一方『白鳥の湖』に関しましてはルドルフ・ヌレエフの演技をDVDで観て研究しました.最も印象的な(それでいて短い)一人舞のシーンを先生に選んでいただきましたが,例え短いシーンでもそこで使われているテクニックをすべて真似することはDPLの技量ではまったく不可能なので,先生にアレンジしていただきました(DPL程度のテクニックでもそれらしく見えるように).

舞台のためのレッスンは,通常のレッスンの枠外にマンツーマンで行われます.DPLは愛妻にビデオカメラを回して貰い,毎回のレッスンをビデオに収めて,帰宅後それを観ながら練習しました.並行して,一流ダンサーによるバレエの名作の数々をDVDで来る日も来る日も鑑賞しました(これは技量の改良に対する即効性はありませんが,DPLなりにバレエの「真髄」を掴もうとしたのです).

それにしても,短いシーンなのに,振り付けがなかなか覚えられません.身体が自然と動くようにならないといけませんが,DPLはその域に達していませんので,すべて頭で手順を記憶し,その記憶を頼りに身体を動かしますので,ぎこちなくもなります(DPLはワープロを打つ時は流石にブラインドタッチですが,初心者がキーボードのキー配置を一々確認しながらワープロを打つようなものです).側でカメラを回しながらレッスンを見ていた愛妻の方が先に振り付けを覚えてしまいました.

ちなみに,愛妻の母親(ママリンですね)は日本舞踊の先生だったので(実はDPLは愛妻の実家に帰ると,ママリンから踊りの指導を受けたりしています.バレエ同様下手なんですけどね),その影響を受けて愛妻は子供の頃から日本舞踊はしていましたが,バレエに関してはまったくの素人です.しかし,「一芸は百芸に通じる」と言いますか,踊りに関しては,愛妻は飲み込みが極めて早い(「奥様がバレエされたらよいのに」なんて言われたりもします).いつしか,DPLは振り付けの細かい部分を愛妻に尋ねる始末でありました.

そんなこんなで本番を迎えました.学生さんや同僚,知人,友人に声をかけましたところ,本当に沢山の方々が応援に来て下さいました(会場の少なくとも半数はDPLの関係者だったのではないでしょうか?).DPLのもと上司で既に定年退官されていた名誉教授の先生までもが来てくださいました.たった3分程度のDPLの登場シーンを観るためにです.

『白鳥の湖』からDPLが演じたシーンは,ジークフリート王子が,オデット姫を想って,一人で舞うシーンです.軽やかなジャンプと回転が繰り返されるシーンです.最前列で観ていた愛妻をオデット姫に見立てて,DPLは一所懸命舞いました.ちなみに,愛妻には白鳥をイメージして,DPLの強力な希望で真っ白なワンピースと白いハイヒールで来て貰いました(DPLは大満足).下の写真は最後の決めポーズです(実は左右の手を間違えています.本当は右手を前に出さないといけないのですが・・・).

ballet_convert_20100128155632.jpg

応援に来て下さった皆さんには,下の写真のように沢山花束をいただいてしまいました.これでも一部です.感謝感謝です.

ballet2_convert_20100128191242.jpg

ところで,バレエ用男子タイツって,実は見えている部分だけでは無くて,全体にオーバーオールみたいな形をしていまして,胸のあたりまで来ます.肩からベルトで吊す形です.ですから,不器用DPLは着脱が大変で(そもそも,男子は女子と違ってタイツのようなものを普段履き慣れておりませんし,履くとしても足首から先は出てますからね),大騒ぎして,かなり愛妻の手を煩わせてしまいました.なお,スクールの先生は,DPLのために実は黒タイツも準備していました.「DPLさんが気後れして,やはり白タイツは無理」と言った時のためだそうです.先生の心配りに感謝です.

この時のビデオは,DPLが地元民放の番組審議委員をしておりました関係で,局の紹介で専門家に撮って貰いました(そう言えば,局の方にも観に来ていただきました.感謝です).さすがにユーチューブ辺りにアップする勇気はありませんが,しばらくは,DPLの自宅に遊びに来た人には強制的に見せました.パソコンのHDに入れて英国にも持参しました(このビデオを強制的に見せられたプロフェッサーの方々にはお気の毒でした.愛妻の日本舞踊には喜ぶ英国人が多かったのにな・・・).

しかし,終わってみますと,やはり『白鳥の湖』の王子役を踊ることで正解だったと思います.純真無垢な王子がオデット姫を思う気持ちは,「愛妻家」魂に通じるところ大でありますし.

昨日の白鳥つながりで,今日はとんだ物をお見せすることになりました.失礼いたしました.
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プロフィールなど

Author:プリティラヴ博士(DPL)
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いまも愛妻に心のトキメキを覚えるハート庵主人・プリティラヴ博士(DPL)が,皆さまに「愛」の御福分けをいたします.愛妻家および愛妻家ファン必読!過去記事の一覧はこっちだよ.
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DPLのプロフィール:愛妻家,甘党男子,散歩家,鉄道青年,活字中毒者,長髪ピンク野郎,英国かぶれ,農学博士,自称経済学者,大学教授(もと経済学部長),馬術部長(残念ながら乗馬経験はありませんが,象にはインドで乗りました)など.主に大阪周辺をチョロチョロしています.

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