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急にこの本が読みたくなった

このブログがスタートしたばかりの頃(2009年11月)に紹介しました以下の書物が、無性に読みたくなってきました(でも、今、事情により手元に無い)。

なお、以下に再掲しました過去記事では、「邦訳なし」と書きましたが、その後、『イギリスのカントリーサイド―人と自然の景観形成史』(奥敬一ほか訳、昭和堂、2013年)というタイトルで邦訳が刊行されていますね。

---以下、過去記事再掲---

今日は,Oliver Rackham博士の「カントリーサイドの歴史」(邦訳無し)を紹介いたしましょう.一昨日のブログで英国の"パブリック・フットパス"を話題にしましたので,関連図書の紹介の意味も込めています.

本書は,下の写真のような美しい表紙を持っています(これはペーパーバック版ですが).この表紙を見るだけでも何となくワクワクしてきますでしょう?でも正真正銘の学術書です.

カントリーサイドの歴史_convert_20091119135519

この本にはイラストを主体としたバージョンもあり,こちらもDPLは蔵書として保有しています.なお,本書を購入したのはDPLが在外研究で英国ケンブリッジに滞在していた時です.町の中のそれほど大きくない本屋さんに売っていました(このような類の本は日本なら大きな書店に行かないと多分買えない).

ところで,表題の"countryside"ですが,なかなかピタッとくる訳語がありません.強いて言えば,「田園」と訳するのがベターだと思いますが,或いは,いっそ「田舎」の方が良いのかも知れません.「カントリーサイド」とカタカナ言葉で表現してしまうことも少なくないので,ここでは不本意ながら「カントリーサイド」としましょう(以下長いのでCSと略しましょう).なお,副題にもありますが,英国のCSが対象です.

450頁ほどの分量の比較的大きな本であり,多岐に渡る内容なので,要約するのは難しいのですが,一口で言えば,土地に刻まれた人工物や植物相,動物相が,何世紀もの間,どのように展開してきたのかを丹念に明らかにすることを通して,英国のCSの果てしない変化の歴史を記述しようとした書物ということになるかな(DPL的には第12章の「道」に関する記述が興味深かった).イラスト版が別にあることもあるのでしょうが,文章が主体で図版は最小限に抑えられています.表紙から綺麗な図版を期待すると多少ガッカリするかも知れませんが,興味深い話題が詰まっていますのでじっくり取り組むべき書物であると言えるでしょう.

著者のRackham博士は,本書の著者紹介に拠れば,コーパス・クリスティ・カレッジ(ケンブリッジ大学を構成するカレッジの1つ.但し,各カレッジとケンブリッジ大学は緊密な関係にはありますが,別組織なので「構成する」という表現は厳密には誤り)のフェローであり,CSとその歴史の権威とあります.CSの歴史なので,「Rackham博士は歴史学者か考古学者か農業経済学者か地理学者かのいずれかであろう」とDPLは思っていました(一番ピッタリ来るのは歴史地理学かな).

DPLは当時,農業経済学,地域経済学,環境経済学,不動産管理,都市計画などの寄り合い所帯のdepartmentに所属していましたが,そこにはRackham博士は所属していませんでした.「やはり歴史学か地理学のdepartmentなのだろう」とDPLは調べもしないで勝手に思い込んでいました.

しかし,ある日,DPLの仮寓に,所属するdepartmentのprofessor(日本の「教授」より希少価値がありますので,「教授」と訳するのは憚られる)の先生が遊びに来られ,その先生が,たまたまリビングのテーブルに積んであった本書に目を止められました.そして,「彼は植物学者だよ」と言われたので,ようやく本来の専門がわかりました.要するに本書は植物学者の手になるCSの歴史の本なのですね.CSの構成要素として植物の比率はかなり高いのですし,本書でも植生史にかなりの頁を割いていますから,別に不思議ではないのですが,深い人文的教養を必要とする本書のような書物を自然科学者が書くというところに,DPLは深い感銘を受けたのです.

それにしても,本書に限らず,英国にはCS本が多いです.やはり英国人はCS好きなのでしょう.ここで付録としまして,DPLが撮影した英国のCSの景観写真の奇跡の一枚(と本人が思っているだけ?)を紹介しましょう.この風景をバックに愛妻を撮影した別バージョンもありますが,こちらは非公開です.

DSCF4061_convert_20091119153145.jpg

今日ご紹介した本
Olliver Rackham "The History of the Countryside (paperback edition)" (Phoenix Press, London, 2000)

---再掲ここまで---

邦訳を注文しようかと思ったけど、8100円かあ。さすがにちょっと躊躇するなあ。まあ、読めば「英国行きたい病」が再発するから、いいや。
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