統計学で思い出しましたが
昨日は統計学の入門書を紹介しましたが、それで思い出して再読したくなったのが以下の書物。
---ここから過去記事再掲---
ここ2,3日,通勤の電車の中で,我が国を代表する数理統計学者・竹内啓氏の統計学関係の久しぶりの単著である『偶然とは何か-その積極的意味』(岩波新書,2010年.下の写真)を読んでいました.
小さい本ですが,話題は,数理統計や確率論に留まらずに,生物の進化や人間の歴史にも及びます.氏のどの書物もそうですが,広く深い教養に裏打ちされた含蓄に富んだ内容で,再読に値する書物だと思いますが,内容の紹介は別の機会にすることにしまして,今日はその中で次の箇所が心に残りましたので引用することにしましょう.
『配偶者を選択する場合,Aと結婚をした場合とBと結婚をした場合,その後の人生は大きく変わるかもしれない.どちらの場合にも無限に多くの不確実性がふくまれていて,幸福になることも,不幸になることもあるであろう.その場合,できる限りありとあらゆる起こりうることの確率を調べて,「幸福度」の期待値が大きくなると計算された方を選ぶべきであろうか.しかしそんなことは不可能に近いし,かりに可能であったとしても,無限に多くの可能な人生についての「期待幸福度」に何の意味があるだろうか./配偶者を選ぶとき「期待幸福度」の計算などに頭を悩ますよりも,好きだと思う人と迷わず結婚して,幸福な生活を築くための努力をする方がよほどよいと思う.』(同書p.180)
引用した箇所は,「不確実性の下での意思決定」の理論を批判する文脈で書かれたものです.特に,『好きだと思う人と迷わず結婚して,幸福な生活を築くための努力をする方がよほどよい』という部分,意思決定理論なども熟知した碩学の言葉であるだけに重みがあります.
DPLも,もちろん計算などせずに,「大好きな」愛妻に「迷わず」プロポーズをして結婚しました.「『幸福な生活を築くための努力』をしているか?」と問われますと,道楽亭主は,答えに窮しますが・・・.
---再掲ここまで---
5年前のボクは、「再読に値する書物だと思います」と書いているぞ!しかし、「内容の紹介は別の機会に」と書いていながら、この間、何も書いていない(汗)。
---ここから過去記事再掲---
ここ2,3日,通勤の電車の中で,我が国を代表する数理統計学者・竹内啓氏の統計学関係の久しぶりの単著である『偶然とは何か-その積極的意味』(岩波新書,2010年.下の写真)を読んでいました.
小さい本ですが,話題は,数理統計や確率論に留まらずに,生物の進化や人間の歴史にも及びます.氏のどの書物もそうですが,広く深い教養に裏打ちされた含蓄に富んだ内容で,再読に値する書物だと思いますが,内容の紹介は別の機会にすることにしまして,今日はその中で次の箇所が心に残りましたので引用することにしましょう.
『配偶者を選択する場合,Aと結婚をした場合とBと結婚をした場合,その後の人生は大きく変わるかもしれない.どちらの場合にも無限に多くの不確実性がふくまれていて,幸福になることも,不幸になることもあるであろう.その場合,できる限りありとあらゆる起こりうることの確率を調べて,「幸福度」の期待値が大きくなると計算された方を選ぶべきであろうか.しかしそんなことは不可能に近いし,かりに可能であったとしても,無限に多くの可能な人生についての「期待幸福度」に何の意味があるだろうか./配偶者を選ぶとき「期待幸福度」の計算などに頭を悩ますよりも,好きだと思う人と迷わず結婚して,幸福な生活を築くための努力をする方がよほどよいと思う.』(同書p.180)
引用した箇所は,「不確実性の下での意思決定」の理論を批判する文脈で書かれたものです.特に,『好きだと思う人と迷わず結婚して,幸福な生活を築くための努力をする方がよほどよい』という部分,意思決定理論なども熟知した碩学の言葉であるだけに重みがあります.
DPLも,もちろん計算などせずに,「大好きな」愛妻に「迷わず」プロポーズをして結婚しました.「『幸福な生活を築くための努力』をしているか?」と問われますと,道楽亭主は,答えに窮しますが・・・.
---再掲ここまで---
5年前のボクは、「再読に値する書物だと思います」と書いているぞ!しかし、「内容の紹介は別の機会に」と書いていながら、この間、何も書いていない(汗)。
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