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毎週日曜日のお楽しみ

毎週日曜日のお楽しみの一つが、『日本経済新聞』の日曜版に連載中の有栖川有栖「ミステリー国の人々」を読むこと。日経が日曜日の未明に配信されますと、真っ先に読みます。

毎回、推理作家一人とその作家が生み出した特異なキャラクター一人を紹介されています。今週は、泡坂妻夫氏と氏が生み出した亜愛一郎が取り上げられていました。

実は、泡坂妻夫氏の作品は、『乱れからくり』しか読んだことがなかったのですが、有栖川氏の下に引用する要約を読んで、デビュー作『DL2号機事件』が読みたくてたまらなくなり、早速、キンドル版をダウンロードしてしまったのでありました。

以下、『日本経済新聞』2016年5月8日付け朝刊の有栖川氏の記事から部分的に引用。


1年前の震災の爪痕が残る宮前市にプロペラ機(これがDL2号機)が着陸するシーンで幕が上がる。雨の中、その様子見守るのは羽田刑事。同機に爆破予告の電話があったのだ。/この地に工場を移し、東京から引っ越してくる実業家の柴は、降りてくるなり警備体制の不備を羽田に毒づく。翌日、警察への抗議に答えるため羽田が柴の邸宅を訪ねると、血だらけになった柴の運転手と斧(おの)を振りかざす柴が飛び出してきた。/何故、柴は運転手を襲ったのか、という動機が読者に提示される謎だ。その答えは、意外な形で地震や爆破予告犯の正体にも結びつく。謎を解くのは前日から羽田と居合わせたカメラマンの亜(あ)愛一郎(あいいちろう)である。

「亜愛一郎」って、「亜愛(ああい)一郎(いちろう)」だとず~っと勘違いしていた(汗)。それはともかく、「あらすじだけでは面白さを伝えにくいが」と有栖川氏は謙遜されますが、「面白さ」は十分伝わっています。何しろ、現物を読んでみたくてたまらなくなったのですから。

とにかく、早速、読んでみましたが、唸りました。

有栖川氏は次のようにも書きます。


『DL2号機事件』の何に私が驚いたのかというと、まずは作中で亜が披露する奇妙な論理だ。犯人はこのように考えたからあのような行動をとったのです、という説明は「筋は通っているが、そんなことがあり得るか?」「そんなことはありそうもないが、筋は通る」という不思議な領域に読者を導く。/私、この領域を狙ったミステリーが大好物なんです。

ワタクシも同感であります!

しかし、この犯人の「奇妙な論理」は決して「絵空事」ではなく、「ありそうだなあ」と思わせるところが憎い。人間の確率に関する一つの解釈を示しており(余り書くとネタバレになるけど)、人間行動に対する洞察が意外と深いとも思うのです。

と言うわけで、もう「面白いものを読んだ」という興奮で、愛妻にネタばらしをしたくして仕方がないのですが、ネタばらしはミステリの場合、御法度だしなあ~。

ちなみに、ワタクシがダウンロードしたキンドル版は、創元推理文庫の『亜愛一郎の狼狽』という短編集。角川文庫版もキンドル版が出ていますが、創元版の方が64円安いです。
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いまも愛妻に心のトキメキを覚えるハート庵主人・プリティラヴ博士(DPL)が,皆さまに「愛」の御福分けをいたします.愛妻家および愛妻家ファン必読!過去記事の一覧はこっちだよ.
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DPLのプロフィール:愛妻家,甘党男子,散歩家,鉄道青年,活字中毒者,長髪ピンク野郎,英国かぶれ,農学博士,自称経済学者,大学教授(もと経済学部長),馬術部長(残念ながら乗馬経験はありませんが,象にはインドで乗りました)など.主に大阪周辺をチョロチョロしています.

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