FC2ブログ

人生を二度生きる

2011年1月の記事ですが(タイトルは「勝手知ったる他人の家」)、ボク自身非常に思い入れのある記事です。

---ここから過去記事再掲---

2010年度の授業は,昨日ですべて終了しました.「えっ!もう?大学の先生っていいね」とか世間の人から言われそうですが,しかし,大学教員が本格的に忙しくなるのは,これから3月にかけてなのですね(学生さんも期末試験が終わるまでは大変ですが).愛妻に美味しい物を作って貰いながら,頑張ろうと思います.

ところで,DPLは,現任校では,経済学部に所属しており,厚かましくも学部長までやっていますが,実は,出身校では農学部に学び,大学院も農学研究科,学位も農学博士,さらに最初の就職先も農学系の学部と言った具合に,もともと農学畑を歩いてきたのです.

ただ,農学は,主流は応用生物科学と言ってよいのですが(応用分野は必ずしも農林水産業に限りません.医学,工学,薬学などの分野とも重なっていたりします),傍流として,農業土木・機械などと並んで農業経済や農業経営に力点を置く分野が,「ひっそりと」存在します.「農経」と略されることが多いのですが,DPLはこの「農経」の出身なのですね.

「農経」はマイナーですが,「農経」出身の経済学部教員というのは,全国を見回しますと,実はそれほど珍しい存在でもありません.経済学部で,もともとの専門である農業経済を講じておられる方もいますが,経済学の別の分野に専門を変えている方も少なくありません.「農経」は,開発経済や環境経済と言った隣接分野の人材供給源にもなっています.

「農経」の方法論は,農学の主流である「応用生物科学としての農学」とはまったく異なります.勿論,農業経営を論じる際は,栽培技術を無視することは許されませんし,時には農業土木や機械の知識も必要になりますが,方法論的には経済学など社会科学の方に近いと言えましょう(必ずしも「主流派」の経済学ばかりではありませんが).

経済学と「農経」で目立った違いがあるとすれば,主な所属学部が違うことの他,後者では「現場に足繁く通い,現場からものを考える」という現場主義が徹底されている点です.ただ,その分(?)理論がやや軽視される傾向があるように思われました(中には理論と現場のバランスがとれた優れた研究者もおられます).

DPLは,「現場も大事だが「農経」にもっと経済学を」と考える方でしたので,大学院生時代は,経済学研究科の授業に出席させて貰ったり,経済学部の授業に潜りこんだりしました.肝心の経済学研究科の院生が受講していなくて,教授と助手,そして非正規受講生の筈のDPLの3人だけという超豪華ゼミ(教員の方が多い!)を開講していただき,おまけに教授からご馳走にまでなってしまった記憶もあります.

とにかく,そんな感じで,経済学には格別の「親しみ」を感じつつ,農学系学部の教員を続けて来ました.実は,私の研究は上で言うほど経済学は使っておらず,「理論無き実証」に近い論文が多い点は,内心忸怩たるものがあります.しかし,薬品の匂い漂う実験研究棟の片隅で細々と経済学の勉強を続けて来ました.そして,縁あって,現任校の経済学部に勤務することになったという次第です.

上に書いたことと矛盾するようですが,「農経」の魅力は,「ごった煮」的なところにあると思います.「農経」の学生は,農場実習で汗を流したり,作物学などの技術学を勉強したり,その一方で,経済学・経営学・会計学関連の授業があったりと,まさに「ごった煮」的教育を受けます.

「農経」研究者が依拠する経済学も,必ずしも「主流派」だけでなく,いまだに「マル経」が幅をきかせていたり,経済学と言うよりも社会学だったり,人類学だったり(実際,「農経」出身の人類学者って何人かいますね)・・・という面で「ごった煮」です.

モダンな経済学が主流の経済学部で,時折,「農経」の「ごった煮」的環境を懐かしんだりもしますが,人生を二度生きているような感じもしまして,それはそれで悪く無いのであります.


---再掲ここまで---

今日から本部キャンパスでの通信教育のスクーリングです。担当科目はなんと「マクロ経済学」(笑わないでね)。懇親会にも出席してきました。「皆さん熱心で嬉しいなあ~」と思いながら、急に懐かしくなった過去記事でした。
スポンサーサイト



コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

プロフィールなど

Author:プリティラヴ博士(DPL)
くちびる4_convert_20091214215454
--------
いまも愛妻に心のトキメキを覚えるハート庵主人・プリティラヴ博士(DPL)が,皆さまに「愛」の御福分けをいたします.愛妻家および愛妻家ファン必読!過去記事の一覧はこっちだよ.
--------
DPLのプロフィール:愛妻家,甘党男子,散歩家,鉄道青年,活字中毒者,長髪ピンク野郎,英国かぶれ,農学博士,自称経済学者,大学教授(もと経済学部長),馬術部長(残念ながら乗馬経験はありませんが,象にはインドで乗りました)など.主に大阪周辺をチョロチョロしています.

--------
DPLへのメールは,ここ(←メールフォーム)から出してね!


P1020343_convert_20090925225456.jpg

DSCF4284_convert_20100217093716.jpg

一日一回,下のバナーを押して下さいますと,DPLはとても喜びます.

カテゴリ
カテゴリごとのインデックスを頭に付けましたので活用してね!
最新記事
全記事の一覧

全ての記事を表示する

リンク
このブログをリンクに追加する
FC2カウンター
カレンダー(見たい日付をクリック)
<< 07
2021
>>
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新コメント
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: